ヘナで白髪染め。髪と地肌を傷めない天然ヘナのハナヘナ
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Q & A
質問:ヘナ染めによる毛髪のエステル化でヘナ染めは髪の毛がダメージするので
やめたほうがいいというブログがありました。
エステル化とは
酸とアルコールからエステルを生成する反応。
この反応は可逆的反応であり硫酸など触媒を用いたカルボン酸とアルコールの反応などが知られる。
ヘナしてエステル化するなんて・・・
触媒でも用いて髪にぶっかけるのだろうか?
極々たまに理論的にあたかもそうであるような批判記事や謳い文句など
都合の良い解釈で説明している記事を見かける(笑)
まぁ、【真実】なんてものは【経験】から妄想された自分だけではなく
絶対にみんなもそうだ!
という仲間を作る思考から生まれるものだと思う今日このごろ。
人間という種族の進化は、強力な牙や俊敏な速さを持つ足を進化させて
きたのではなく、【脳】という思考を武器にこれまで生存してきた種族
なので時に都合の良い残忍さが歴史を見てもわかる。
自然界には弱肉強食という絶対的道理があるが、それらは【私利私欲】に
よって作られたものではなく、【生存のため】の摂取だ。
まぁ、この記事を書いた方も過去に何かしらアレルギーやダメージなどを経験し
職業柄【集客するために】都合のよい理論武装をしたのでしょう。
ヘナをすると撥水性になりエステル化をひこ起こしやすく活性酵素がおこり
活性酵素は水に触れるたびに髪がダメージする・・・
と。。。
撥水性で水を弾くのに水に触れるとダメージ???
ちなみに活性酵素って髪表面でも起こるのですか???
ヘナの吸着反応やその構造については過去ブログで何度も書いてきたのですが
また改めて書いてみようと思います。
過去ブログ
まず、通常の髪の毛の水分保持量は13%前後。
コレくらいの水分量を保持できる髪の毛がダメージのない健康毛であり
この状態を【疎水】といいます。
疎水とは水を疎うと書き、その状態が正常であることが条件です。
よく髪が収斂したという表現をしますが、この収斂というのはキューティクルが
何らかの物理的損傷を起こしている状態に限り当てはめられるもので
疎水と収斂とは根本的に違うということです。
次に
ヘナ色素2ヒドロキシ1.4ナフトキノン(C10H6O3)分子量174.15の
低分子でヘナ色素は基本顔料
顔料は無機顔料と有機顔料と分けられヘナは有機顔料でありその中でも色素の構造上から
多環顔料に分類される縮合環化合物なんですね。
染色の仕組みは、分子がペプチド結合を持つタンパク質に接近し立体構造を崩し
内部に埋もれていた疎水性アミノ酸と分子間で吸着
吸着はヘナ分子とタンパク質分子間に働く水素結合でイオン結合の化学吸着とファンデルワールス力の
物理吸着、マトリックスには結晶領域と非結晶領域がありますのでこの非結晶領域に
染料分子は吸着します。
これはヘナ染めした後顕微鏡で写した画像ですが、低分子のため毛髪内部まで
侵入します。
染料分子は、染料の濃度、ケラチン蛋白の体積、染料のPH、濃度(純度)により
容易に変化するので、通常の日常生活でヘナ染料は低分子ですので色素は
自然流失しますからエステル化により
染料が流れ出ないという理論は化学的におかしな話になってしまいます。
仮にエステル化をおこし撥水変化していたのであればそれはタンパク変性ということになります。
変性ですので確実に悪い状態になるということです。
実際に変性まで行くとするのであれば濃度、PH、ヘナ染めの回数、時間と
関係するのですが、完全吸着発色までは酸化という時間を有するので
ヘナ染め後180度のアイロンでプレスし、それを1日で何度も繰り返す
ことができればタンパク変性をおこし撥水性になりますが、物理的に考えて
一度でそのような施術をすることはありませんね。
仮にそれらをやれたとして、タンパク変性をおこし撥水性になったとしたら
パーマもかけることができませんし、脱色もできません。
もはや髪の毛ではないということです。
質問者さんが読んだ記事のエステル化を成立させるには
親水性である毛髪(ペプチド結合)をエステル化という撥水性に
させる触媒剤が必要だということです。
最後に
ヘナの純度が高いほうがゴム成分が多いとのことも書いてありましたが
ゴム成分は、ポリイソプレン。
イソプレンを重合して高分子にしたもの
天然ゴムも合成ゴムも高分子ですので低分子のベンゼン環を持つ天然ヘナですので
どう解釈したらそうなるのか・・・
もしかしたらケミカルヘナと天然ヘナの区別がつかず
ケミカルヘナで増粘剤を使うものもありますが、この増粘剤を
イソペンチルジオールと言いますのでこのイソプレンとごちゃ混ぜに考えてるのかな???
いずれにせよ天然ヘナとケミカルヘナは全くの別物ですし、髪の毛がどれだけ撥水性になるかという
ことは状況にもよりますが、髪質やヘアースタイルにより利点もあり欠点もあります。
ヘナ色素は、樹脂染料であり染めることで毛髪内部に入り浸水を防ぎますので
撥水性といえば撥水性ですが、低分子ゆえ時間とともに必ず流失していきます。
ですのでエステル化というほど強力な吸着にはなりえないのです。
まぁこれはハナヘナに向けられた記事ではありませんし世の中に流通している
ヘナ(ケミカルも天然も化学色素入りもごちゃまぜ)というワードに向けた
記事ですので、純粋な天然ヘナを扱うハナヘナのことではありませんが
あたかも撥水性を欠点のようにクローズアップして、消費者を混乱させる記事というのは
プロとしていかがなものかなと考える次第でありますし
ヘアカラーよりずっとずっと昔約5000年以上も前から使われてるヘナ
なのにこんな理論で悪者にされてることに悲しい気持ちになると同時に
それらを長年愛用してきた現地のインド人たちにとても失礼な気もします。
ヘナしてるインド人みんな髪キレイです♪
ハナヘナは、天然自然が作り出した産物を状況に応じ楽しく使い
自分たちに取り入れることがハナヘナの理念でありますので
合う合わないがもちろんあると思いますし、万人に絶対なものなどこの世に存在しない。
化学物質と化合物質でも書きましたが、天然という分類としての名前はあるものの
地球上に存在するものはすべてが化学物質です。
とてもシンプルな化学物質で天然ヘナだからこそ人間の嗜好や私利私欲、利便性の
ために容易に生成、化合できるのが自然の産物(石油然り)であります。
天然100%しか取り扱わないハナヘナは、とてもシンプルが故
不都合だってもちろんあります(操作性などね)
しかしながら自然産物をより深く知り、使い所を見極め適切な方法で
使用できればこれほど無駄がなく地球上に負担のない髪の毛をきれいにする素材
はどこを探しても他にはありません。
今回も小難しいことを書いてしまいましたが、シンプルなものを
より深く追求し続けるのがハナヘナであり自然なものを
使って純粋に楽しむ♪
というのが僕からの見解です。
数年前にハナヘナのサブタイトルとして
人が草に合わせる♪
という言葉を提唱させていただきましたが
いつか流行語大賞ノミネートされないかなぁ笑
※ 化学は現時点での人間が検証した結果に過ぎず、絶対であるとは考えていません。
使う側の認識、使われる側の状態も千差万別です。
化学だけで結論できないのもまた結果です。